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資料館とは

私の提案 | 資料館の構想 | 5つの理念

私の提案、松井やより。女性たちが過去の戦争を記憶・記録し、未来の平和をつくる

松井やより写真 戦争と暴力は21世紀になってもおさまることなく、戦争はグローバルに広がり、世界各地で地域紛争が頻発しています。 こうした中で女性の人権を守り、暴力をなくして平和を創りだしていくには、20世紀の女性たちの戦時下での被害と軍による加害の事実をあまねく記録して記憶にとどめ、その成果を次の世代に伝えて、平和構築の活動に活かしていくことが急務です。 そこで日本の過去の戦争を記録し、現在の紛争予防と解決をめざし、平和と非暴力の未来をつくる女性たちの活動を促進し支援する目的で「女たちの戦争と平和資料館」は建設されます。

2000年12月に開かれた女性国際戦犯法廷の4年にわたるプロセスで、膨大な資料が集められました。 1991年から始まった「慰安婦」訴訟でも貴重な資料が蓄積されています。 こうした「慰安婦」問題に関する内外の文書、写真、映像資料を集めることは、歴史的記録保存という意味だけでなく、未来の世代への教育にも役立ちます。 またこの資料館では、世界各地での武力紛争と女性への暴力に関する資料を集めます。 そして女性による平和を創る活動を促進したいと思います。

この資料館の建設は女性国際戦犯法廷の思想を受け継ぎ、あくまで民衆運動として実現させるものです。 それは国家ではなく、市民の力で、女性が中心になって男性とともに、そして国家を超えてグローバルな連帯で、過去の歴史を踏まえて未来をめざした行動です。 ぜひともすばらしい資料館を共につくる仲間になっていただきたいと心からお願い致します。

(2002年12月27日永眠)

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資料館の構想

■過去の記憶と記録

「女たちの戦争と平和資料館」では、女性国際戦犯法廷に集約された「慰安婦」問題に関わるアジア各国の被害調査、天皇や日本軍に関する資料、各国の「慰安婦」被害者の民事訴訟関連資料、国内外で出版された本や報告書、各国の支援団体の資料など、文書や写真を一堂に集めて整理し、検索・閲覧ができます。 ビデオ・アーカイブスには、名乗り出た被害女性たちのビデオ証言、録音テープなどを試写・視聴するブースを作ります。 自らの加害行為を証言する日本軍兵士や、現地の慰安所跡の映像、地元の目撃証言なども含みます。 これらオーラルヒストリーを記録した映像資料も、インターネットによって検索ができるようにします。 またこの資料館では、世界各地での武力紛争と女性への暴力に関する資料を集めます。


■現在の戦争や紛争下における女性への暴力

2000年12月の「国際公聴会」に集められた世界各地の紛争下における女性たちの被害証言をはじめ、沖縄や韓国の女性たちが取り組んでいる米軍基地問題、アフガニスタンやパレスチナでの被害実態など、現在直面する戦争・紛争・軍隊による性暴力の被害調査、国際会議、連帯行動の文書や映像資料などを集めて公開します。 また、インターネットによって世界中のNGOからの声明、反戦活動、平和教育、復興協力活動、市民による現場からの情報(映像を含む)を受信し、日本の動きも発信していきます。こうした海外の諸団体や独立系メディアとの連携・情報交換は、国境を越えた連帯活動になるでしょう。


■平和と非暴力の未来に向けて

この資料館では、平和を創ろうという人たちが集えるように、小規模な会合や集会、ミニシアター、展示会などが開けるオープンスペースも備えます。資料館が教育や女性たちの行動の拠点にもなるのです。 平和教育や、紛争予防・解決・復興協力などで女性たちが積極的な役割を果たすために学習や教育をしたり、紛争地への事実調査団派遣や国連へのロビー活動など、女性による平和を創る運動を促進します。 なお、女性国際戦犯法廷の実現に奔走した松井やよりさんの著作を集めたコーナー「松井やより文庫」も設置されます。膨大な数の新聞記事やコラム、雑誌・ミニコミ誌への寄稿文などを、検索、閲覧できます。

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5つの理念
  1. ジェンダー正義の視点にたち、戦時性暴力に焦点をあてる。

  2. 被害だけでなく加害責任を明確にする。

  3. 過去・現在の資料の保存・公開だけでなく、未来へ向けての活動の拠点にする。

  4. 国家権力とは無縁の民衆運動として建設・運営する。

  5. 海外へも情報を発信し、国境を越えた連帯活動を推進する。

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